店の真のサービスとは

日本が生んだ接客の名脇役、「おしぼり」。
一説には、室町時代、旅籠屋が、訪れたお客様に旅の疲れを癒やしてもらうため、手足の汚れを拭う手ぬぐいを用意したことから始まったと言われています。
お客様を喜ばせたいというお店のおもてなしの心が所作として始まった「おしぼり」は、現代においては、飲食店や様々なところで提供されていますが、提供の仕方を知らずに出しているところが多く見られるのも事実です。
おしぼりの第一人者として「真のおしぼりのおもてなし」を提唱し続けているアステップの代表西内毅と、「真のおしぼりのサービスとは何か」についてwebライター※と対談した模様をご紹介いたします。

おしぼりを考え続けて40年

ライター:なぜおしぼり業界に入られたのですか。

西内:おしぼり屋を家業としていたので、4歳の時から「将来はおしぼり屋になる」と宣言し、18歳で家業のおしぼり屋に入社しました。
以降、自ら足を運んでお客様が一番喜ぶおしぼりの出し方を追い求め続け、おしぼりの最適化に命を注ぎ、真のおしぼりの“おもてなし”を追求するようになったんです。
「MOCA」開発のきっかけとなったのも、おしぼりのおもてなしを追求していろんなことがみえてきたからですね。

13,000店のおしぼりの出し方を追う

ライター:おしぼりの出し方を追求し始めたきっかけは何でしょうか。

西内:おしぼり業に携わって8年が経った頃から、ふと疑問に思うようになったんです。
「自分が提供したおしぼりは、どんなふうにお客様の手に渡っているのだろう。」
「おしぼりの心地よさは感じてもらえているのだろうか。」
と。
それから年間コンスタントに550軒、多い日は1日15軒くらい回りましたよ。総計で13,000店を超える店舗に足を運んで、どのようにおしぼりが提供されているかを研究し続けたんです。
そうやって現場を視て気がついたことは、長く続くお店は、おしぼりの状態・提供方法に共通するものがある、ということでした。

60℃という温度

ライター:おしぼりの状態、とはどういうことですか。

西内:人が快適と感じる温度は外気との関係が深いんです。
冬、人が最も「気持ちよい」と感じるおしぼりの温度は平均60℃。この温度は温かさだけではなくて、柔らかい肌触りや高級感といった評価にも影響します。
夏なら「気持ちいい」と感じるおしぼりの温度は外気からマイナス15℃で、季節によってお客様が求める「気持ちいい」温度は異なるんです。熱すぎれば効果を感じることができないし、人肌になると心地よいと感じる度合いが減ってしまいます。
お客様に満足感を得てもらうためには、人が一番気持ちいいと感じる温度でおしぼりを保つことが重要なんだということが分かったんです。

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30センチ四方の大きさ

ライター:温度以外にも優良店に共通した「おしぼりの状態」はあるのでしょうか。

西内:大きさにも共通点がありました。重厚感がある、高級感があると感じるおしぼりは、30センチ四方の大きさのある綿タオルなんです。余裕をもって手や顔を拭くにはそれくらいの大きさが必要なんです。これは決して紙おしぼりではなし得ないですよね。

おしぼりを2回出す

ライター:では提供方法についても教えてください。

西内:多くの店に足を運ぶだけではなく、おしぼりを使うお客様にアンケートをとったんです。そもそもおしぼりの必要性を感じているかどうか、出てきたおしぼりに対する印象など、お客様が求めているおしぼりとはどういうものかを追求し続けたんです。
その結果からみえてきたことは、おしぼりが上質で心地よい温度であることと同時に、おしぼりが出てくるタイミングにも要望があるということでした。
おしぼりが出てくるタイミング、それは来店時と食後に2回おしぼりが出てくると嬉しいという意見でした。特に食事中に素手を使う料理を提供しているお店において、2回出しは必須とも言え、私が見てきた数多くの優良店は、これらの条件をクリアしたお店ばかりだったんです。

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真のサービスを継続させるために

ライター:「真のおしぼりのおもてなし」がみえてきたことがMOCA開発のきっかけに?

西内:それだけではないんです。お客様が求める、あるいはそれ以上のサービスを長く提供し続けることは、忙しい店にとって容易なことではないんです。真のおもてなしを提供し続けるためには、できるだけ店にとって負担の少ない形でサービスを継続できることも重要な課題でした。お客様の満足度を高め、お店にとっても負担なく続けられること、その実現こそが、お店とお客様に提供できる、アステップ社の真の「おもてなし」であるということに気がつきました。

他社にはなかった1台で2役の「MOCA」

ライター:それでMOCAが誕生したんですね。

西内:おしぼりを使うお客様、そしておしぼりを提供するお店、その両者が求めることを実現させるためには?
という追求こそが、これまで他社製品にはなかった温・冷同時対応の「MOCA」開発のきっかけとなったんです。
今や45,000店舗で導入され、今なお購入され続けている「MOCA」が、これからも店の真の“おもてなし”を実現させるためにかかせないパートナーとして有り続けてくれることを願っていますし、 そしてもちろんこれからもおしぼりの第一人者である西内毅に求められることを追い続けていきながら、全国に「真のおしぼりのおもてなし」を提唱し続けていきたいと思います。

西内毅プロフィール

  • 18歳 家業のおしぼり屋に入り幼少の頃の夢を実現
  • 32歳 米国綿サンフォーキンバレー、欧州綿ウズベキスタン視察研究
  • 36歳 一台二役の温/冷蔵庫「MOCA」、HOT&COOLの開発着手
  • 39歳 Astep香港社設立しベトナムハノイにておしぼりタオル生産輸入
  • 44歳 東日本おしぼり協同組合理事長に就任

日経レストラン、UCC珈琲ジャーナルほか、数多くの媒体でコラムの掲載、各地での講演、新聞・雑誌・テレビ・ラジオにて取材も多く受け、おしぼり業界の第一人者としてマスコミで紹介されている。

※webライター
山田真美:webサイトの運営や、webサイトにおけるPR活動の支援をおこない、webライターとしても活動している。