おしぼりの歴史

発祥は『古事記』や『源氏物語』の時代

おしぼりの歴史はさかのぼると平安時代と考えられています。客人を招く際にぬれた布を提供する、という習慣があったようです。
平安時代というと、華やかな貴族の文化が始まった時代。きらびやかな着物をまとった女性たちや、大きなお屋敷など、豪華な暮らしぶりをイメージさせますが、その貴族たち、実はほとんどお風呂に入っていなかったと言われています。訪問先でさすがに全身をおしぼりで清める、ということはしていなかったかもしれませんが、汗をかいた首元など、ふいてさっぱりしていた、なんてこともあったのかもしれません。

おしぼりの「ウェルカムサービス」は江戸時代から

おしぼりがサービスとして生まれたのは、綿製品が一般に広まった江戸時代からと言われています(室町後期との説も)。
綿は中国から入ってきたもので、綿がない時代は絹や麻が手ぬぐいなどに使われていたようですが、江戸時代では、綿が普及し、手ぬぐいも綿が増えてきたようです。
そして、宿場町の旅籠屋(今でいうホテルや旅館)や街道沿いの茶店などでは、客人へのサービスとして、水桶と手ぬぐいを用意して手足の汚れを拭き、旅人の疲れを癒したそうです。その際に濡れた手ぬぐいをしぼったことから「おしぼり」という語源になったと言われています。
衛生面の観点からだけではなく、四季の変化の顕著な日本で、一服の清涼剤としてお客様に快適な癒しのひと時を提供する先人の知恵なのですね。

東京オリンピックの少し前にレンタルおしぼり登場

戦後は急激な復興により景気が上昇し、飲食店が次々と増え、それに伴いおしぼり文化も普及していきました。
最初は自店でそれぞれおしぼりを洗浄し提供していました。しかし、復興のスピードはすさまじく、おしぼりを洗浄して貸し出すビジネスが生まれました。
現在のようなレンタルを中心とした専門業者が登場するのは昭和35年前後になってからです。
タオルをくるくると巻いてビニール袋に入れられたおしぼりはこの頃から見られるようになりました。
戦後復興と高度成長期に併せて、外食産業が発展。飲食店の増加とともに、おしぼりもサービスとして定着し始めたのです。

一日800万本のおしぼり!

関東地区一都六県で、組合に所属する業者が取り扱う貸しおしぼりの出荷本数は週間約5600万本。
一都六県に限ってみても、実に一日800万人の方々におしぼりが渡っている計算です。すごい数ですね!
飲食店を始め、サロン、ゴルフ場、車ディーラー、旅館、式場・・・と様々な場所でおしぼりが提供されています。
本当に日本はおしぼりの国ですね。ちなみにおしぼりの日があり、10本の指を拭くの語呂合わせで10月29日に制定されています。

古くから、日本人の清潔さやおもてなしの心が育んできた「おしぼり」。
外国人にも好評で、今後、世界的にもどんどん普及していくかもしれませんね。

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